- 日替わりコラム
Tue
12/15
2020
アルコール、薬物、ギャンブル、ゲームなど、いろいろな依存症がありますが、いったん依存症の状態に陥ってしまうと、依存対象を摂取したり依存行動をとることによって脳内に快楽を感じる回路ができると考えられ、そうなると本人の意思や努力だけで依存症を克服することは難しくなります。自分自身が、あるいはご家族が依存症の状態にあると疑う場合には、自分一人や家族だけで抱え込まずに医療機関や保健所、精神保健福祉センターなどの専門機関に相談し、適切な助言を得ながら治療を開始しましょう。
アルコール依存や薬物依存では、肝機能など身体的異常が合併していることも多く、その治療の必要もあって入院させる場合もあります。入院すると、依存対象から距離を置いた環境で治療を行うことができます。一方、通院治療では、仕事や家庭生活を続けながら日常生活のなかで依存対象から距離を置く訓練を行います。また、医療機関ではありませんが、それぞれの依存症に特化した回復施設に入所したり、通所して回復への努力を続ける方法もあります。「断酒会」のような自助グループを利用する方法もあります。依存症は慢性疾患ですので、回復するまでにはある程度の期間を要します。医療機関や専門機関の支援を受けながら、患者さんに合った方法を選ぶことが必要です。
編集室
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