- 日替わりコラム
Thu
1/7
2021
「シビックテック」とはCivic(市民)とTech(テクノロジー)をかけ合わせた造語で、市民自らがITなどのテクノロジーを使って地域の問題解決に取り組むことをいいます。その活動はアメリカから始まり、日本でも2013年頃から全国に広まっています。
シビックテックの主な事例としては、金沢市の市民団体で開発された、いつ、どのゴミが収集されているのかが一目でわかるアプリ「5374(ごみなし).jp」、札幌市の市民団体で開発された、幼稚園や保育園の情報を地図上で表示して子どもをどこに預ければよいかがわかる「さっぽろ保育園マップ」などがあります。そして日本のシビックテックの中心的な存在である「Code for Japan」は、東京都の依頼を受け、「東京都新型コロナウイルス感染症対策サイト」の基本プログラムを設計し注目を集めました。市民の命を守るために行政と市民がコラボレーションして、正しい情報をオープンに伝えるためのものです。
日本の行政は、PCR検査や給付金制度などで対応の遅さやITの弱さを露呈し、コロナ以外にも少子高齢化や待機児童といった多くの社会問題を抱えています。行政の力だけでは解決が困難な問題が増え続けるなか、これからはシビックテックのような市民の能動的な取組みがますます必要となってくるでしょう。
ライター東納英輔
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