- 日替わりコラム
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1/11
2021
私は数年前から、顔や首が赤みを帯びたり、湿疹に悩まされています。医師から勧められて、アレルギー検査(血液検査)をしたところ、ハウスダスト、ダニやヒノキだけではなく、小麦アレルギーがあると診断されて大変驚きました。いろいろ調べてみると、小児だけではなく大人のアレルギーも年々増加しています。将来、日本人の10人に1人が食物アレルギーを持つと推計する専門家もいます。
大人の食物アレルギーの原因物質としては、果実・野菜、小麦、甲殻類、スパイス、ナッツ類の順で頻度が高いとの報告があります。小児のアレルギー物質は、0歳では鶏卵、牛乳、小麦で9割を占めますが、年齢が上がるに伴い、魚卵、果物、甲殻類が上位を占めるようになります。
小麦アレルギーを疑われて小麦を避けようとすると、うどんやラーメンなどのめん類はもちろんのこと、パンやクッキー、フライや天ぷら、さらにカレーなど多くの料理に小麦が多用されていることがわかります。小麦を除去しようとすると、朝食もパンからごはんに変えたり、昼食も手軽なめん類は食べられず、夕食では一人だけ家族とは別のメニューにしたりと、大きく食生活を変えていく必要があります。
食物アレルギーは、一歩間違えると生死にかかわります。本年は、読者の皆さんと大人の食物アレルギーについて考えていきます。
東京食品技術研究所 学術顧問鈴木達夫
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