- 日替わりコラム
Wed
1/27
2021
現在、さまざまな企業がテレワークを導入し、自宅などでの新しい働き方が広まっています。しかしながらテレワークの生産性に関しては、業種や企業風土の違いから、その評価が分かれているようです。
ある新聞社のアンケート調査によると、「テレワークの導入によって生産性が上がった」と評価した人は約3割、「下がった」と評価した人も約3割、「変わらない」と評価した人が4割でした。つまり、三者はほぼ拮抗していたのです。「上がった」と回答した人の理由のトップは、「移動時間の減少からくる作業時間の確保」、「下がった」と回答した人の理由のトップは、「コミュニケーションがとりにくいこと」でした。
今から約50年前、イギリス人のあるオフィス研究者は「オフィスのデザインを行う際、まず、その企業の企業風土を見なければならない」と指摘しました。彼は、「企業には官僚制が高い企業と低い企業があり、かつ、グループワークがメインなのか、ソロワークがメインなのかによってその求められるオフィスデザインが異なる」と述べました。そのように考えると、今回の調査結果には業種や企業風土の違いがあるように思います。すなわち、テレワークが有効なのは官僚制が低くソロワークがメインの企業であり、有効でないのは官僚制が高くグループワークがメインの企業だといえるかもしれません。
東京造形大学 造形学部デザイン学科 教授地主廣明
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