- 日替わりコラム
Fri
2/19
2021
『スター誕生!※ 』は、「スターになったらこんなことをしてみたい!」と夢見ている若者を募集して、優勝した人と芸能プロダクションとの橋渡しをする番組でした。数多くの応募者に対して厳正に審査を重ねるため、「要らない」という結果に至る人もたくさんいました。この番組の企画者・阿久悠さんから以前、こんな話を聞いたことがあります。これは私にとって心の鉄則になっている内容なので、少し書いてみます。
「審査員が出場者に厳しい批評をすることがありましたが、その訳は誰でもスターになれる訳ではないからなのです。スターになれる可能性のない人に、あの部分をこんな風に歌えばきっと点数が良かったなどと、夢や希望を持たせるようなことを言うのはかえって不親切なのです。それよりもダメな人には(使えないと)ハッキリ言ったほうが、どれだけその人にとって親切かわかりません。そういう気持ちで審査をしていたので、聞きようによっては厳しく聞こえるのかもね。スターになれる可能性というのは、内面から湧き出るように出ている魅力を指す訳です。私たちは、それを見つけていた訳ですよね」。
今はスター不在の時代などではありません。それを選ぶべき人たちが、魅力の見つけ方を勘違いしているのだと思います。スターとは、作るものではなく育てるもの。それが「時代を創る」ことにつながります。
※ 昭和46年10月3日から昭和58年9月25日まで日本テレビで放送された、視聴者参加型歌手オーディション番組
写真技術研究所別所就治
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