- 日替わりコラム
Tue
2/23
2021
本シリーズは、ある大手食品企業(以下、A食品)が、今から約50年前に導入した週休2日制を、企業改革という視点から考えるものです。
A食品はまず、K工場で週休2日制導入のための取組みを始めました。ひとつ目の課題であった「従業員を増やさずに週休2日制を導入する」ために、「職場における作業量を正確に見積り、その作業量に見合う要員を設定」したのです。その際に活用したのは、当時トヨタ自動車で採用されていたIE(インダストリアル・エンジニアリング)です。
IEとは、あらゆる産業分野の生産性を高める総合的管理技術です。そのひとつに、作業量算出のための時間測定手法があり、作業量を作業時間によって数値化します。作業時間を正確に測定するための方法としては、実際の作業時間をストップウォッチで測定する方法、作業をビデオで撮影して各作業の時間を割り出す方法、作業者を連続的に観測し記録して作業時間を求める方法などがありましたが、私たちは「PTS法※ 」を採用しました。そしてA食品独自の「APTS法」を確立し、作業量測定の軸として位置付けました。
K工場には30を超える部門があり、プロジェクトメンバーだけですべての部門の作業量を算定するのは困難であったため、APTS法が使えるチームを部門ごとに編成し、即戦力となるよう教育を行いました。
※ Predetermined Time Standard system。既定時間標準法ともいう。作業の内容を基本動作に分解し、動作と条件により定めた「動作時間標準表」から公平かつ客観的な作業時間が求められるという方法
遠山技術士事務所 技術士(農芸化学)遠山茂雄
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