- 日替わりコラム
Tue
4/13
2021
コロナ禍でテレワークが普及し、在宅で働く人が増加しています。この在宅勤務について、ワークエンゲイジメント※ の専門家が、特に健康面に関する懸念を指摘しています。
この専門家によれば、ワークエンゲイジメントとは、「仕事に誇りややりがいを感じている(熱意)」、「仕事に熱心に取り組んでいる(没頭)」、「仕事から活力を得ていきいきとしている(活力)」の3つが揃った状態を指します。これらを前提として、現在の在宅勤務では以下のような問題が起こっているといいます。
まず、在宅勤務では通信環境の整備度が人によって異なり、在宅勤務が増えるほど整備されていない環境では主観的健康感が低下し、整備されている環境では上昇する傾向があります。また、在宅勤務者はオフィス勤務者と比べ、週当たり4時間労働時間が長いという調査結果もあり、健康への悪影響が懸念されます。加えて、子どもがいる家庭や介護が必要な家庭の場合、仕事への集中度が低下し、結果としてワークエンゲイジメントが低下することが予測されます。また、着座時間が長い中高年労働者もワークエンゲイジメントが低いということです。
今後は、これらの点を改善しながらワークエンゲイジメントを高める在宅勤務が求められるでしょう。
※ 働く人が仕事に感じている充実感や意欲を表す。心の健康度を示す概念のひとつ
東京造形大学 造形学部デザイン学科 教授地主廣明
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