- 日替わりコラム
Thu
4/22
2021
水道水には、浄水の工程で消毒用の塩素剤が加えられています。時代をさかのぼれば、水を介した経口感染症のコレラや赤痢などの発生や感染拡大を防ぐため、水道水に消毒がされてきた歴史があります。
各家庭の蛇口から出る水道水には、消毒に有効な1ℓ当たり0.1mg以上の遊離残留塩素が求められています。自治体によって違いはあるものの、実際の各家庭の蛇口から出る水には約0.4mg程度の塩素濃度があり、大腸菌の殺菌にも有効に作用します。こうした消毒の塩素を生活に上手に使うことを考えてみましょう。
野菜を洗うときは、殺菌作用という点で塩素を含んだ水道水を使うと良いでしょう。一方、浄水器を通した水は調理用として使うと良いでしょう。浄水器の水は、活性炭を通過して塩素が除去されますので、浄水器の水と水道水とを使い分けることが大切です。
冷蔵庫の製氷機の水、加湿器の水などの用途で「必ず水道水を使ってください」と表示されていることがあります。これは、水に触れた部分に生えるカビや雑菌の抑止のためです。塩素を含んだ水道水を使うことで、カビや雑菌の発生を抑えているのです。家庭の浴槽で、前日の湯を再利用するとき、水道水を追加することで、雑菌の数を少し減らす効果もあります。
一般財団法人 日本環境衛生センター 技術調査役(環境衛生分野担当)中臣昌広
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