- 日替わりコラム
Tue
4/27
2021
食品工場で働く皆さんは、目に見える場所(床や壁、装置やテーブルなどの表面、ドアや冷蔵庫の取っ手など)はしっかりと注意して除菌や清掃をし、また教育や指導も徹底されています。しかし、隠れて見えない場所には意外と無頓着で、その重要性を認識していても、実践レベルでは無管理状態ということがあります。
一方、製造室内環境は、落下菌や清浄度などが測定評価されているわりには、気流方向や室圧管理は曖昧であり、特に空気質を大きく左右する換気用空気の汚染物を除去する外気処理用フィルタのメンテナンスが不十分な状態が散見されます。この管理不足がさまざまな施設トラブルや室内のカビ発生の要因となり、ひいては食品トラブルの発生源になっていると考えられます。これらのトラブルは事前管理で解決できるはずですが、見えないために気がつかず対応がされていないと感じます。
食材(原料)は調理や加工前に洗浄して微生物除去をしっかり行っていますので、きれいに洗浄された食材に直接接触する空気もきれいなものでなければなりません。外気処理用フィルタの維持管理を疎かにしないことで「きれいな空気環境」が堅持できることになり、食の安全・安心にもつながります。したがって、空気も食品の重要な副原料であることを、食品工場で働く皆さんに強く認識していただきたいと思います。
NPO―HACCP実践研究会 理事/主幹研究員宮地洋二郎
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