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Tue
5/11
2021
介護施設で新型コロナウイルスの感染が発生するとクラスターになりやすく、実際にそうした施設が増えています。利用者の多くが認知症の高齢者のため病院側も入院を渋り、何日も待たされるケースが多いようです。そしてその間に、ほかの利用者も次々に感染してしまいます。認知症や精神疾患のある人たちの医療の受け皿はもともと不足していて、新型コロナウイルスで、より鮮明になってきたと考えられます。
医師や看護師がいないグループホームなどの施設では医療処置が行えず、職員が防護服を着て対応せざるを得ません。医師が派遣されれば酸素の投与や点滴などはできますが、24時間対応はできないのが現状です。
厚生労働省によると、今年2月15日時点で高齢者福祉施設におけるクラスター件数は1017件。全国のクラスター発生件数が5104件で、高齢者福祉施設は約20%と最も高い発生数となっています。次いで、飲食店が947件、企業が941件、医療機関が874件、学校・教育施設が624件などでした。
今後は、認知症の専門スタッフがいる病院で、新型コロナウイルスに感染した認知症高齢者を受け入れる態勢を強化することが望まれます。入院までに時間がかかる場合は、医療従事者のいない介護施設に専門のスタッフを早急に派遣し、十分に支援していく必要があります。
参考:老人ホーム・介護情報サイト『介護カレンダー』
介護問題研究家中村和彦
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