- 日替わりコラム
Tue
6/22
2021
今、地方で注目されているのが農産物直売所です。コロナ自粛以降、多くの直売所が売上げを伸ばしています。地元の新鮮な野菜や果物だけではなく、加工品、肉類、魚類なども手に入るため、家で料理を作る「巣ごもり」需要で購買が増えました。
農産物直売所は全国に2万3870か所あり、全体の売上げは、1兆789億円です(2018年、農林水産省「6次産業化総合調査」)。直売所の利点は、農家に価格決定権があることです。また、規格外の果実や野菜でも菓子や惣菜などに加工して販売できるため、食品ロスも減らせます。少量の農産物でも出荷できることから、高齢者、定年退職者、女性農業者、新規就農者の収入にもつながっており、直売所で年間1000万円売るという人も珍しくありません。
直売所では農家や漁業家から直接産品を仕入れるだけではなく、生活に必要な加工品を揃えたり、料理のレシピを紹介したりもしています。併せて、採れ立て生鮮レストランや果実カフェを運営したり、料理教室や体験教室を開催するなど、地域とのコミュニケーションもしっかりとっています。野菜もいろいろな品種を四季ごとに作付けするなど工夫しています。宅配便を活用して全国からの「お取り寄せ需要」に対応したり、野菜づくりを指導して新規就農につないでいるところもあります。
食総合プロデューサー金丸弘美
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