- 日替わりコラム
Mon
6/28
2021
本シリーズは、ある大手食品企業(以下、A食品)が今から約50年前に導入した週休2日制を、企業改革という視点から考えるものです。
前回ご紹介したように、A食品では週休2日制を導入するためにプロジェクトチームをつくり、まずは従業員の作業時間を正確に測定することから始めました。そして、すべての作業量を算出後、次のような方法で必要な要員数の算定を行いました。
まず初めに、工場の生産スジュール表上に作業量を積み重ねて記し、作業量が最も高い箇所を見つけました。次にそのピークを下げるために「山崩し法」を実施しました。山崩し法とは、作業方法の改善やムダな作業のカット、生産スケジュールの見直し・変更などを行いピークを下げる方法です。この「どうすればピークを下げられるか」を徹底的に思考することが非常に重要です。山崩しを重ね、作業量のピークがわかったら、そのピーク時の要員を職場にとって必要な人数と見なします。そして、決定した要員で作業がスムーズに実施できるかどうか、生産に支障がないかどうかをテストランで確認し、問題がなければ、その職場の要員数として決定します。以上の取組みにより減少した要員は、別の部門の作業を担当します。こうして、生産性を維持しながらも増員せずに週休2日制の導入が可能となりました。
遠山技術士事務所 技術士(農芸化学)遠山茂雄
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