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Tue
7/6
2021
蚊の防除には大きく分けて発生を予防する対策と、成虫を駆除する対策があります。
発生を予防する対策としては、幼虫(ボウフラ)が発生する水域をなくすことや発生水域に幼虫の生育を阻害するためのIGR(Insect Growth Regulator)剤を投入することが主になります。また、成虫の休息場所となる植栽の茂みなどを刈り取ることで生息数を減らすことができます。いずれも、きわめて高い予防効果があります。
一方、成虫を駆除する際、2014年デング熱国内発生時の媒介蚊の対応の事例では、防護服と忌避剤を利用しています。デング熱発生時には周囲の成虫駆除を行いますが、駆除する私たちが感染してしまったり感染を広げることがあってはなりません。「感染を防ぐ目的」から防護服、ゴーグル、マスク、ゴム手袋、長靴を装着して露出部をできる限り少なくします。顔の露出された部分には忌避剤(成分はディート)を利用します。忌避剤の塗布時には目や口の中に入らないよう注意し、耳にも忘れずに塗布します。時間がたつと忌避剤が汗で流れ効力が低下するので、継続した塗布が必要です。
また、防護服を着用するとかなり暑くなるので、熱中症防止のためにこまめな水分補給と適度な休憩を入れる必要があります。
イカリ消毒株式会社 取締役・一般財団法人 環境文化創造研究所 理事谷川力
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