- 日替わりコラム
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9/13
2021
令和3年6月1日、食品衛生法の改正により「HACCPに沿った衛生管理」が制度化され、食品事業者が共通して行うべき一般衛生管理基準14項目が示されました。その中には、現場の衛生管理を直接担う「食品衛生責任者」の選任とその責務についても記されています。
「ある店舗内に自分の名前が食品衛生責任者として掲示されているので、1日も早くその掲示を外してほしい」と保健所に相談がありました。相談者は食品衛生責任者として勤務していた飲食店を退職しましたが、後日、その店舗に行ってみると自分の氏名が記載された食品衛生責任者プレートが掲示※ されたままでした。相談者は自分の氏名掲示を外すことを店側に申し出られない事情があり、また、食品衛生責任者は兼任できないことを知っているため、次の職場の責任者として勤務することができずに困っているとのことでした。
食品衛生責任者は、営業許可を受けるための単なる条件のひとつではなく、現場スタッフのリーダーです。最新の食品衛生の知見を習得して、必要な衛生措置については営業者にも意見を述べるという役割があり、今回の法改正「HACCPに沿った衛生管理」の重要な推進役ということができます。消費者に一層信頼される食品提供のために、食品衛生責任者の皆さんのさらなる自覚と活躍に期待いたします。
※ 改正食品衛生法による厚生労働省令の参酌基準には、食品衛生責任者氏名の掲示義務は含まれていない
公益社団法人 日本食品衛生協会 技術参与・一般社団法人 関東学校給食サービス協会 顧問谷口力夫
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