- 日替わりコラム
Tue
11/30
2021
浴室で、小型のハエのような虫を見つけることがあります。その正体は、チョウバエです。
体長約5mmで黒みがかった灰色をしており、羽がうちわ状の形をしていて、毛が多く生えています。チョウバエは人を刺すわけではありませんが、不快に思う人もいるかもしれません。
ビルでは、汚水槽や排水槽で発見されることがあります。汚水槽は、主に地下階のトイレの流し水を貯めています。チョウバエは、そうした槽の水の表面に浮かぶゴミに卵を産みつけて、数を増やしています。
私たちの周りでは、台所、浴室、トイレなどの排水パイプの中の腐敗した汚泥から発生することもあります。保健所の環境衛生監視員としてマンションの浴室に発生した虫を現場調査したとき、チョウバエの発生場所をFRP(繊維強化プラスチック)製浴槽の下に発見しました。浴槽の下は、浴槽パネルのすき間から湯や石けん、シャンプーなどが入り込み、その汚れが長い間に堆積していました。そこにチョウバエが卵を産みつけていたようです。
チョウバエの発生を防ぐには、半年に1回くらい、取扱説明書のとおり浴槽パネルを外して浴槽下を点検し、スポンジなどで洗浄するとよいでしょう。
一般財団法人 日本環境衛生センター 技術調査役(環境衛生分野担当)中臣昌広
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