- 日替わりコラム
Thu
12/23
2021
日本には、天然記念物のネズミが2種います。ひとつは沖縄島北部、奄美大島、徳之島にのみ生息する日本固有種のケナガネズミです。日本のネズミの仲間では最も大きく、頭胴長20~30cm、体重は700g前後とドブネズミより大きくなります。5~7cmと長い体毛を持ち、和名の由来になっています。性質はおとなしく、警戒心がありません。食性は雑食性のようですが、野外ではシイやカシの実を食べています。冬に、一度の出産で2~5匹の仔ネズミを出産するようです。
もう一種のトゲネズミもケナガネズミと同様、沖縄島北部、奄美大島、徳之島に生息している日本固有種のネズミです。しかし、ケナガネズミが種として同一(どの島でも同じ種類)であるのに対し、トゲネズミはオキナワトゲネズミ、アマミトゲネズミ、トクノシマトゲネズミと別種として扱われます。当然、染色体数なども異なり、分類学上でも貴重な存在となっています。大きさは頭胴長12~18cmと、クマネズミほどです。その名が示すように、体毛がトゲ状になっているのが特徴です。やはり雑食性で種実やイモ類、昆虫類を食べています。
両種ともに夜行性なので、あまり姿を見られることがなく、生息数もそれほど多くはありません。さらに人間の影響でノネコが増え、襲われる機会も増加しているようです。
イカリ消毒株式会社 取締役・一般財団法人 環境文化創造研究所 理事谷川力
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