ストレス社会を心穏やかに生きる(86)鐘の音に祈りをこめて

　今年の大晦日も、例年と変わることなく、本年1年への感謝の想いと来年1年への希望の祈りを捧げつつ、除夜の鐘をついております。毎年のことではありますが、「私たち人間の煩悩は、108つもあるのだなぁ」と、過去・現在・未来の因縁業の深さというものを痛感させられます。
　令和3年というこの1年、新型コロナウイルスの感染拡大に伴う影響や、天災や人災による甚大な被害など、皆様にとられましても、実に、苦難の多き大変な1年であったことと思います。何気ない日々の暮らしばかりか、大切な人命そのものが脅かされるという現状は、いったい、私たちに何を問いかけているのでしょうか。
　今年は、災禍の中、人命を第一に考え、昨年、惜しくも延期となった東京オリンピック・パラリンピックも開催され、選手の皆様をはじめ、各々の立場や役目をもたれて携われた皆様に、多くの感動を頂戴いたしました。そして、こうしている今もなお、医療従事者の皆様をはじめ、人命のために必死に奔走してくださっている方々がいらっしゃいます。
　今という現在にあればこそ、過去に感謝し、未来に希望を託すことのできる私たち人間の生き方は、本当に尊い、命の道であると思います。本年も、鐘の音と共に、皆様の幸せを願って新年をお迎えいたします。
　どうか「幸せ」というこの祈りが、皆様のもとへ届きますように。

合掌

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