- 日替わりコラム
Wed
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2022
新しい年を迎えました。今年は、着物でミュージアムへ出かけてみませんか。近年、全国各地の多くの美術館・博物館・資料館で、着物姿の来館者への入館料割引など優待サービスが行われています。
古美術、古文書、歴史、民俗資料などを展示収蔵する美術館・博物館・資料館では、年間を通して優待を行う館が増えています。展覧会のテーマや季節の行事にあわせての期間限定優待館も年々増加しています。春は雛祭りや花見、夏は盆踊りや花火、秋は紅葉や芸能、冬は正月、それぞれの催しに館ごとの特色を凝らした小展示なども加わり、地域の観光振興とも連携したイベントとして定着するようにもなりました。
日常的に着物を着る習慣がほぼなくなった今、着物姿の来館者への優待は、着物を着ることや着物姿に触れる機会を増やすための取組みのひとつです。日本の伝統や文化を身近に感じ、継承する気運につながることを期待して行われています。先人たちから引き継いだ知や美、技を未来へ継承する場でもあるミュージアムに似合ったサービスだと思います。
日々の大半が着物暮らしの私は、このサービスで展覧会の多くをお得に楽しんでいますが、ほかにも嬉しいことがあります。着物姿は珍しいからか、見知らぬ方からよくお声を掛けられるのです。会場でたまたま隣り合わせた方との着物がご縁の会話もまた、展覧会の愉しみです。
放送大学 客員教授・九州国立博物館 名誉館員・一般財団法人 環境文化創造研究所 顧問本田光子
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