- 日替わりコラム
Tue
2/8
2022
SDGsの「ゴール9」では、「レジリエント(強靭)なインフラを整備し、包摂(ほうせつ)的で持続可能な産業化を推進するとともに、イノベーションを進めること」を目指します。
「レジリエント」は、SDGsでよく出てくる言葉です。単なる「強い(ストロング)」ではなく、たとえば竹を曲げようとしても、しなって元に戻ろうとするような「復元力のある強さ」を指します。風水害や地震などの災害に強い街づくりも、そのひとつです。途上国では、停電や断水をしないなどの点も重要でしょう。「包摂的」も、SDGsにはよく出てきます。これは、「組織が外のものを取り込む力」を指し、先進国・途上国共通の課題です。生活困窮者や女性、障がい者などの「社会的弱者」が活躍できる社会制度や新しいビジネスの仕組みが求められます。
イノベーションは、「技術革新」だけではなく、旧制度から脱皮し、生活者が利便性を享受できるような新しい製品・サービスや仕組みをつくることを指します。その実現には、オムロン創業者の立石一真さんが提唱した「ソーシャルニーズの創造」が重要です。企業から見て、「市場」の外側には必ず「社会」があります。市場のニーズではなく、その先にある社会のニーズを見つけることがカギです。オムロンはそうやって、世界初の鉄道自動改札機や家庭用の血圧測定器を開発したのです。
『オルタナ』編集長森 摂
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