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2022
SDGsの「ゴール10」は、「各国内および各国間の不平等を是正すること」です。年齢、性別、障がいの有無、人種、民族、出自、宗教、あるいは経済的地位などの状況に関係なく、その人の能力が発揮される機会が必要です。なにより、所得の格差が是正される必要があります。
2021年11月10日に第101代内閣総理大臣に就任した岸田文雄氏は、同年9月の自民党総裁選で、「成長と分配」、「新しい資本主義」を掲げました。金融所得課税や法人増税は見送られ、今後は企業の賃上げを促す税制の具体化が問われます。企業として「ゴール10」でできることは、前述の多様な人材をどう組織に組み込んでいくかです。これをダイバーシティ※1 とインクルージョン※2 といいます。「多様性のある組織」のほうが、そうでない組織よりも生産性が高いことは、これまで内外の専門家の研究により明らかになっています。特に障がい者雇用は、法定雇用率※3 が年々上がる傾向にあります。民間企業には、全従業員の「2.3%以上」の障がい者雇用を求めています。以前は身体障がい者と知的障がい者だけがその対象でしたが、2018年4月の法改正で精神障がい者の雇用が必須となりました。重要なのは、障がい者が加わった職場は、雰囲気が明るくなることが多いことです。「助け合い」の精神が生まれ、チームワークが増し、生産性も上がるという研究結果も出ています。
※1 多様性
※2 組織に取り込むこと
※3 従業員数43.5人以上が対象=短時間労働者は0.5人分としてカウント
『オルタナ』編集長森 摂
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