- 日替わりコラム
Thu
3/17
2022
洗濯は、「洗う」、「干す(乾燥)」、「仕上げる(畳む)」の3工程からなります。家庭の洗濯機は、「洗う」と「乾燥」は自動化されていますが、「畳む」はできていません。この3工程の全自動化は、夢でもあります。
この夢を、あるベンチャー企業が大手資本の支援を得て実現しようとしたことがあります。AI(人工知能)や画像認識、ロボットアームなどを駆使して開発に取り組みましたが不成功に終わり、多額の負債を抱えて倒産してしまいました。
そこで、「すべてを自動化したいと欲張らず、自動化が難しい衣類投入だけは手作業にしたらよいのではないか」と考えたのが、ホテルのシーツやタオルのリネンサービスを行う東都フォルダー工業株式会社の常務取締役技術部長、前嶋祐介氏です。このほど、家庭用洗濯機程度の大きさの「T-BOX」を開発しました。たとえばシャツは、投入口に両方の肩口をセットするだけで両袖を前側に交差させ、全体を上下に2つ折りした後、さらに四角い形状に整えながら畳まれ、本体横の取り出し口に運ばれる仕組みです。多種多様な衣類をすべて同一の幅と長さで折り畳むことができるため、今後はコインランドリーや病院などにも置きたいと考えているそうです。前嶋氏は、コロナ禍でホテルの仕事が激減し、余った時間を開発にあてることで成功しました。
一般社団法人 発明学会 顧問平井工
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