- 日替わりコラム
Thu
3/24
2022
認知症の発症が認められると、銀行はその人の口座を凍結します。口座が凍結されると、たとえ親族でも預金の引き出しや解約などの取引が一切できなくなります。どうしても口座を利用したい場合には、「成年後見制度」を利用します。成年後見制度とは、病気などで判断能力が低下し財産の管理や契約などができない場合に、後見人が代わりに財産を管理するというもので、家庭裁判所への申立てが必要です。後見人には誰でもなれますが、司法書士などの専門家が多いようです。
手続後、成年後見制度の開始までには通常3~4か月かかります。その間は親御さんに蓄えがあったとしても介護費用が支払えないため、誰かが立て替えることになります。では、介護費用をできるだけご本人の財産で賄うようにしたいという場合には、どうすればよいのでしょう。
銀行にもよりますが、最近は「代理人指名」ができるようになってきました。代理人指名された人は、本人の判断能力低下後も窓口で出金ができますので、一度相談してみるとよいでしょう。またその際、親御さんご本人に定期預金の解約など、あらかじめ契約内容の変更などについて相談しておくとともに、通帳やキャッシュカードの保管場所を教えてもらうと安心です。いずれにしても、ご本人の判断能力が低下する前に、ご家族でしっかり話し合っておくことをお勧めします。
介護問題研究家中村和彦
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