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Thu

4/21

2022

誌上でめぐる世界の恐竜化石(5)アメリカ

 トリケラトプスは、今から約6800万〜6600万年前頃の白亜紀最末期に北アメリカ大陸に生息していた角竜(つのりゅう)です。トリ(3)+ケラト(角)+オプス(顔)という学名からもわかるように、3本の角を持っています。最も大きな個体は全長約9m、推定体重約6tで、角竜の中でも最大級の種でした。全長12mの肉食恐竜ティラノサウルスにとっても、その角は脅威だったようです。あるティラノサウルスは、トリケラトプスの後ろ側から近づいていって、後ろから角に咬みつき、角をへし折ったようです。トリケラトプスの化石に残されたティラノサウルスの歯型から、そのような戦いをも復元することができます。
 角竜というグループ名から、角の形や大きさ、本数などが重要に思われますが、角竜の進化を遡ってみると、フリルと呼ばれる後頭部の板状の突起のほうが、より重要そうです。初期の角竜の角は、鼻の上に小さいものがあるくらいですが、フリルは後頭部から首の上側に伸びているため、肉食恐竜の攻撃から急所である首を守る役割があったと考えられています。前述の角をへし折られたトリケラトプスのフリルにも、ティラノサウルスの咬み痕が残っていましたが、フリルを折ることはできなかったようです。今度、トリケラトプスを見るときには、フリルの厚みにも注目してください。

独立行政法人 国立科学博物館 副館長・研究調整役真鍋真

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