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4/25
2022
徳島県の「一般社団法人徳島地域エネルギー」は、地域の人たちが主体となって再生可能エネルギーを開発し、利用する団体です。利益や技術を地域に還元することで雇用や経済を活性化し、持続性のある社会を創ると同時に、脱炭素・環境保全に貢献する目的で設立されました。金融機関の融資を受け、事業費の一部は寄付で成り立っています。地元の産品を返礼品として送り、事業利益は経費や維持費を差し引いて地域に還元される仕組みです。
2012年の設立以降、佐那河内(さなごうち)村で太陽光での発電が開始されました。行政・企業・地域の人々などに呼びかけて、小水力発電、木質バイオマス、研究・研修施設も設けられ、活動は県外の自治体・企業連携へも広がっています。家庭でのエネルギー消費で多いのが暖房・給湯などの熱利用で、全体の50%以上を占めます。そこで力を入れたのが、未利用の木材や剪定枝(せんていし)を熱燃料に転換する木質バイオマスです。里山も保全され、CO2排出量も削減できます。
県外との連携では、長野県の「東急リゾートタウン蓼科」はチップボイラーを導入し、蓼科の森から燃料を作っています。森林10.9haの大規模間伐(間伐率42.5%)を実施し、灯油40,000ℓ、CO2排出量を年間110t削減するなど、実績を残しています。
食総合プロデューサー金丸弘美
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