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Wed

6/8

2022

展覧会に出かけると(24)子どものいる風景 その3

 美術館や博物館のトークフリーデーをご存知ですか。友人や家族と作品をめぐる会話を気兼ねなく楽しみながら観覧できる日で、毎月あるいは毎週定期的に実施する館が増えています。同じ作品を見ていても感じ方は人それぞれ。その違いを語り合うことで鑑賞の楽しみが深まります。さらに、お互いの感性や考え方の理解につながる嬉しさもあります。
 日本では一般的に展覧会は「おしゃべりNG」で、新聞の投書欄やSNSでもしばしば「観覧者同士の会話」や「子どもの話し声」などが気になるという意見が寄せられます。静かな空間で鑑賞したいという一方で、欧米のように会話を楽しむ鑑賞や子どもの教育効果などを考えれば多少のおしゃべりはよいのではという意見も同じようにあります。
 トークフリーデーは「静寂な日」とは別に「会話を楽しむ日」を設定し、時代のニーズに応えたものといえましょう。観覧者には「作品の保存に影響を与えない」、「ほかの観覧者に迷惑をかけない」のふたつが望まれますが、これはルールよりマナーでまもられるほうが和やかな鑑賞空間になります。「子どものいる風景」の在り様は時代や地域の展覧会文化の姿や美術鑑賞マナー普及のバロメーターなのかもしれません。
 コロナ対策によりトークフリーデーは休止の館が多いのですが、再開されたらぜひ、家族や友人とご一緒に楽しんでみてください。

放送大学 客員教授・九州国立博物館 名誉館員・一般財団法人 環境文化創造研究所 顧問本田光子

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