- 日替わりコラム
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7/18
2022
SDGsゴール14は、「海の豊かさを守ろう」です。海は、地球の表面積の約70%を占めるために気候変動の影響が大きく、世界各地で海水温の上昇が報告されています。気象庁によると、日本近海における2021年までの100年間にわたる海域平均海面水温(年平均)の上昇率は、「プラス1.19℃」です。この数字は、世界平均の海面水温の上昇率(プラス0.56℃)よりも大きいのです。海水温が上がると、海面からの水蒸気の量が増えます。水蒸気は「隠れた温室効果ガス」で、大気温を上げる作用(水蒸気フィードバック)が大きく、近年の台風が大型化・強力化しているのもこの現象によるものとされます。
国際プロジェクト「海洋生物のセンサス」によると、10年間の調査の結果、海に住む生きものは、未発見の種を含めると100万種類以上に達することがわかりました。魚類だけではなく、クジラなどの哺乳類、タコやイカなどの軟体動物、クラゲなどの刺胞動物、エビやカニなどの節足動物が住んでいます。つまり海は、「生物多様性」の宝庫なのです。
近年、「違法・無報告・無規制」を意味する「IUU」漁業が大きな問題となっています。WWFジャパンによると、IUUによる漁獲量は1.1兆~2.5兆円に上るとされます。これは、日本の漁業・養殖業の生産額(1.5兆円)に相当します※ 。
※ 日本市場にIUU漁業由来の水産物が流入しているリスクは中~高程度であり、中でもウナギ類、ヒラメ・カレイ類、サケ・マス類で、そのリスクが高いことが判明した
『オルタナ』編集長森 摂
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