- 日替わりコラム
Tue
7/26
2022
人間が他者の言葉や行動などに影響を受け、気持ちが動くまでのプロセスには、論理的に伝える「中心ルート」と感情に訴えかける「周辺ルート」というふたつの異なるルートが存在するという説があります。
この考え方は、事業者側に過失がある可能性が高い場合の「お客様へのご報告」においても示唆に富むものです。
「中心ルート」による認識や判断を重視するお客様に対して力を発揮するためには、調査や報告の内容が科学的に正確で、論理立てた説明になっていることが重要です。しかしながらこの場合、お客様側にもある程度は意識的に情報を受け取っていただき、不明なことがあれば質問したり自分なりに調べたりする労力が必要になることもあります。食生活を妨げられた何らかのハプニングに対して、お客様が「そこまでの労力を費やすことは嫌だ」とお考えになられたとしても、一概に批判することは難しいでしょう。
それに対して「周辺ルート」での認識は、本質的な内容の吟味よりも事業者側のお詫びの姿勢が伝わってくるかどうかなど、感情的で情緒的な表現に重きが置かれます。
実際にはどちらか単独ではなく、両方が相互に影響を与え合って最終的な感情形成に達するものでしょう。両輪での対応が、必要不可欠です。
リテールHACCP研究所山森純子
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