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Thu

8/4

2022

豪雨災害後に認知症患者が急増

 夏から秋にかけては台風などの災害が際立ってきますが、広島大学は2018年7月に起きた西日本豪雨災害の被害が大きかった3県(広島県、岡山県、愛媛県)の被災者の医療レセプト(診療報酬明細書)データを分析し、災害と認知症の関連性について調査しました。
 それによると、65歳以上の対象者・約171万人のうち、0.9%が被災者と認定されており、6.6%の人に認知症治療薬が処方されていました。災害前に認知症治療薬を処方されていなかった対象者のうち、被災者群は非被災者群よりも高い比率で災害後に認知症治療薬が処方されており、被災前から服薬していた人の中には、被災後に薬の処方量が増えた人が多くいたことも判明しました。以上のことから、自然災害は被災した高齢者の認知機能を低下させる可能性があることが明らかになったのです。これまでも災害後の生活で認知症を発症するケースがたびたび報じられ、避難生活でのストレスが多大な影響をもたらしている可能性が指摘されてきました。今回、認知症薬に焦点を絞ったことで、より明白に災害時と認知症の関係が見えてきたといえます。
 気候変動などにより自然災害が増加するなか、災害弱者である高齢者の急激な認知機能の低下を予防するため、より科学的根拠に沿った対策が必要となるでしょう。

介護福祉士中村和彦

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