- 日替わりコラム
Fri
8/26
2022
京浜急行電鉄(京急線)金沢文庫駅の近くに、株式会社総合車両製作所があります。その前身は、鉄道の車両製作に定評のあった東急車輛製造で、JR東日本の完全子会社となった際に名前が変わりました。
JRや大手私鉄などの車両、一般型鉄道コンテナの製作を行っていますが、京急は線路幅標準軌(1435mm)なので、狭軌(1067mm)のJR在来線車両を走らせることができません。そこで、新造された電車を出荷するための専用線として、総合車両から京急逗子線の神武寺(じんむじ)駅※ までは線路が3本あり(三線軌条)、両方の車両を走らせることができるようになっています。途中、六浦(むつうら)駅には、ホームの位置の関係から車両とホームが接触しないよう、3本目の線路を反対側に移す「三線軌条渡り」という技術も使われています。総合車両では、新幹線の車両も製作しています。軌道幅は京急線と同じですが、車両の幅が広いため線路を走らせることができず、深夜に陸路で運ぶそうです。
京成電鉄は、浅草線や京急との乗入れを行うにあたり、線路幅変更の大工事を実施しました。東京都電は馬車鉄道から電気鉄道になった際、馬車鉄道の線路幅である1372mmのまま電車化しました。京王電鉄の軌道幅も1372mmです。今ではほとんど見なくなりましたが、軽便鉄道法に基づいた路線では914mmや762mmが採用されています。
※ ここからJR 横須賀線の逗子駅につながる連絡線に接続している
認定NPO法人 バイオメディカルサイエンス研究会 常任理事前川秀彰
全部または一部を無断で複写複製することは、著作権法上での例外を除き、禁じられています
- アクセス