- 日替わりコラム
Wed
10/26
2022
「万物は流転する」と言ったのは、哲学者ヘラクレイトスです。これは、世の中のあらゆるものは常に変化しているという意味です。彼はそのことを川の流れに例えて、「人は同じ川には二度入れない」とも言っています。川の水は常に流れて変化しているから、同じつもりでも同じ川へ入ることはできないということです。しかし変化に注目すると、そこには変わらざるもの、すなわち普遍的な原理原則があるということも見えてきます。
近代における産業革命は、私たちの暮らしや働き方に大きな変化をもたらしてきました。第1次産業革命ではイギリスを中心に蒸気機関による機械化が進み、乗り遅れた国々は植民地化され、長い間、隷属されました。第2次ではドイツがガソリンエンジンを発明し、自動車や飛行機をもたらしました。アメリカでは電気利用が始まり、工場のオートメーション化による大量生産時代に突入、軽工業から重工業への変化を引き起こしました。第3次は「デジタル革命」とも呼ばれ、コンピューターの導入により「単純作業の自動化」が実現しました。そして、第4次は現代のIoT※1 やAI※2 によるもので、これまで以上に加速度的な変化が予測されます。このような時代だからこそ、普遍的な原理原則や変わらざるものを見極める意識を大切にすべきではないでしょうか。
※1 Internet of Things の略称。モノのインターネット
※2 Artificial intelligence の略称。人工知能
商品開発アドバイザーH・B 山越
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