- 日替わりコラム
Fri
11/18
2022
人生の歩み方や、幸せの感じ方は、まさに人それぞれですが、生き方に憧れを抱き、その道にならうということは、幸せな人生を歩むために、否、人生を幸せに歩むために、道標となる大切な初心を発(おこ)すということなのだろうと思います。
皆さまにも、子どもの頃に憧れた生き方や、抱かれた夢というものが少なからずおありであろうかと思います。その初心は、人生の道しるべとして、皆さまの一生を支える指針となっておられますでしょうか。
どのような人であっても、大人になるにつれ、生きることそのものの大変さを知るとき、憧れた生き方を貫くことや、抱いた夢を実現させることの難しさを実感せずにはいられないと思います。
「夢は、実現させなければ意味がない」と言われる方もいらっしゃいますが、「不如意(ふにょい)(思うようにならないこと)が人生である」ことも、お釈迦さまが説かれた一つの真理です。
憧れとは、純粋で素直な童心から発される初心であり、人生の夢です。たとえ不如意な人生であろうと、憧れた生き方を追い求め、困難に直面してもなお、あきらめることなく、夢を抱きながら、歩み続ける人生の道のりには、深く尊い轍(わだち)が道標として残されます。童心を忘れないことが、人生を幸せに歩むことそのものだと思うのです。
合掌
下野薬師寺別院 舎那殿壇 龍興寺 副住職阿波建多
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