「廃棄物を資源に変える」緑豊かな巨大施設

　埼玉県入間郡(いるまぐん)三芳町(みよしまち)上富(かみとめ)にある産業廃棄物処理会社・石坂産業株式会社が、注目を集めています。廃棄物を「焼却」するのではなく、徹底的に「分別分級」することにより、98％という高い減量化・再資源化を実現しているからです。
　廃コンクリートは砂利に戻され、道路用の路盤材や駐車場の敷石として使われます。建築廃材は、等級別に木材チップとして生まれ変わります。鉄やアルミ、ステンレスなどは有価物として再資源化され、出荷されます。古紙やプラスチック類を主原料とした固形燃料RPF(Refuse derived paper and plastics densified Fuel)は、石炭の代用品として製紙工場の燃料などに使われています。施設内では太陽光、風力、地上と地中の温度差を利用する地中熱利用システムや雨水の再利用も取り入れられています。工場にはガラス張りの見学通路が設けられ、専任の人が案内してくれます。学校、企業、行政の環境教育の研修も行われています。従業員は180名。管理職の女性の比率は約4割で、男女共同参画でも注目されています。
　周辺に広大な里山があり、敷地は東京ドーム4個分以上もあります。生物多様性の高い雑木林の復元・保全活動や農業も行われており、レストランもあります。

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