- 日替わりコラム
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12/19
2022
人命が失われるような大変痛ましい事故が起きてしまったとき、多くの場合、周囲から「事故になりそうなことは、これまでも起きていた」という声が聞かれます。
「災害防止のグランドファーザー」と呼ばれたハインリッヒは、「ひとつの重大な事故の背後には29件の軽微な事故があり、そしてその背後にはさらに300件のヒヤリ・ハット(実際の事故にはならなかったが、危険を感じた事案)が潜んでいる」と唱え、事故防止のためにはヒヤリ・ハットの段階で対処していくことが大切であると説いています。
人間には、周囲の膨大な情報の中から無意識に自分に都合の良い情報だけを集め、都合の悪い情報を遮断する「確証バイアス」という特性があります。このため、ヒヤリ・ハットや29件の軽微な事故の段階で、不都合な事実から目をそらしていないか注意が必要です。
食品工場や飲食店の現場には、一歩間違えばスタッフの生命を奪いかねない設備や機器が多くあり、さらには、お客様の安全に関わる食中毒や食物アレルギーの管理という大切な役割もあります。
日常的に起きているヒヤリ・ハットに目を向け、希望的観測を排除し、事前に事故の芽を摘みとることで、安心・安全な職場を作っていきましょう。
リテールHACCP研究所山森純子
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