- 日替わりコラム
Thu
12/22
2022
日本のエネルギーはその8割を外国から輸入しているといわれ、太陽光や風力などの再生可能エネルギーに高い期待が寄せられています。現在、再生可能エネルギーに新たに仲間入りして注目されているのが、植物の根や水草に集まる微生物などを活用して発電する「植物発電」です。
植物は光合成で酸素と糖をつくりますが、植物体内の糖の一部は根から排出され、根の周りに棲息するバクテリアがイオン分解します。そのエネルギーを効率良く電極に集め、発電させる技術です。
「湿気がある土壌に植物が生えていれば、この電極を差し込んですぐに発電が始まり、半永久的に給電できます」と、開発した株式会社ニソールの田崎勝也社長が、サンプルの備長炭とマグネシウムのふたつの電極を土中に差し込んで実演してくれました。同社は、電子機器・プリント基板の設計が主業です。
田崎社長は、電極であるマグネシウム板を酸化チタンや酸化鉄でコーティングしたりアルマイト加工したりしてその性能を改善し、電圧5ボルトの発電を可能にしました。
現在はまだLEDイルミネーションやスマートフォンの充電用に利用できるくらいですが、やがては規模を拡大し、道路や農業現場の夜間照明に使いたいと計画しています。
一般社団法人 発明学会 顧問平井工
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