イカリホールディングス株式会社 よりそい、つよく、ささえる。/環文研(Kanbunken)

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Wed

2/1

2023

食品にまつわるトラブルから学ぶ(48)消毒用アルコールと思いがけない事故

 新型コロナウイルス感染症の流行から、3年が経過しました。この間に、食品取扱施設においても感染の防止を目的とした消毒用アルコールが汎用されるようになりました。ところが、アルコール系消毒剤は、その特性から思いがけない事故の原因となることがあります。
 ある学童保育室の職員が、流し台に置かれていた消毒用アルコール入りのペットボトルを、飲料水と思い込んで冷蔵庫内に保管しました。別の職員が、水を求める小学生にこのペットボトルのアルコールをコップに注いで与えてしまいました。幸い大事には至りませんでしたが、誤認しやすい飲料用ペットボトルの再利用、内容表示、保管場所、取扱い方法、職員間の情報共有不足など、ミスが重なったことによる誤飲事故でした。
 また、ある飲食店が全焼した火事では、多数の重軽傷者が出ました。感染症対策で設置されていた可燃性の消毒用アルコールや飛沫防止用シートに、近くにあったコンロの火が燃え移ったための悲惨な事故でした。
 冬期の感染性胃腸炎の主な原因となるノロウイルスには、コロナウイルスに有効な消毒用アルコールでも十分な効果は期待できません。ノロウイルス対策としての嘔吐(おうと)物処理やトイレ周辺の消毒には、次亜塩素酸ナトリウムの使用が最も有効です。消毒剤はその特性をよく理解し、目的に適したものを選択して、効果的かつ安全に使用することが重要です。

※ 一般的な消毒用アルコールは、濃度70%以上95%以下のエタノール。手指など人体に用いる場合には「医薬品・医薬部外品」を使用する

公益社団法人 日本食品衛生協会 技術参与・一般社団法人 関東学校給食サービス協会 顧問谷口力夫

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