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2023

あと「7年半」しかない

 SDGs(持続可能な開発目標)は、2023年3月に折り返し地点を迎えます。2015年9月に国連総会で採択されましたが、達成目標年である2030年9月まで、あと「7年半」しかないのです。
 2030年は「2050年カーボンニュートラル」の中間地点でもありますが、ウクライナ戦争で欧州がロシアの天然ガス供給から離脱したこと、世界的に電気・ガス料金が高騰したことなどで、日本では「再生可能エネルギー(再エネ)では間に合わない」という雰囲気すら出てきました。岸田政権による原発再稼働や稼働年の延長方針は、この流れに沿っていますが、世界で再エネは確実に増えています。国際エネルギー機関(IEA)の報告書によると、「再エネが2025年初めに石炭を抜いて世界最大の電源になる見込み」です。日本でも、一層の再エネ推進が必要です。
 世界のサステナブル経営の第一人者であるポール・ポールマン元ユニリーバCEOは、エジプトで開かれたCOP27※ について「結果として期待外れだった」と断じました。
 しかし一方で、「すべての国連加盟国が改めて、地球温暖化を1.5℃以下にとどめる必要があることを確認できた」とも評価し、今後に期待する見方も示しました。ポールマン氏の憂慮と期待のどちらが正しいのかは、私たちが「後半の7年半」でどう変われるかにかかっています。

※ 国連気候変動枠組条約第27回締約国会議

『オルタナ』編集長森 摂

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