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2023

誌上でめぐる世界の恐竜化石(11)「恐竜博2023」でズールに会おう

 ウロコが繊維のようになった羽毛を持つ恐竜が出てきて、やがてその羽毛が翼になり、一部の恐竜は鳥類へと進化していきました。一方で、ウロコに骨成分が加わって、分厚く丈夫なものにしていった恐竜たちもいました。アンキロサウルスなどの鎧竜(よろいりゅう)です。2023年3月14日から6月18日まで国立科学博物館で開催される特別展「恐竜博2023」のポスターやインターネットで、「今度の主役は『トゲトゲ』だ!」というキャッチコピーをご覧になった人もいるかもしれません。
 ズールという鎧竜はウロコが分厚いだけではなく、その先端がトゲトゲしています。白亜紀後期、今から約7600万年前に現在のアメリカ・モンタナ州に生息していたズールは現在、カナダ・トロントにあるロイヤルオンタリオ博物館に展示されています。ズールのトゲトゲしたウロコだけではなく、ウロコとウロコの間の皮膚まで化石として残っています。そして、実は頭からしっぽの棍棒(こんぼう)まで1個体一緒に発見されている鎧竜はズールが唯一といってもよいほど、珍しい化石なのです。
 トロント以外では初公開になりますので、美しいトゲトゲをぜひ見にきてください。ちなみに、この恐竜は映画『ゴーストバスターズ』のキャラクターに顔が似ていることからズールという学名がつけられました。変な顔にも注目してあげてください。

↓「恐竜博2023」の公式サイトはこちら
https://dino2023.exhibit.jp/

独立行政法人 国立科学博物館 副館長・研究調整役真鍋真

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