- 日替わりコラム
Tue
4/11
2023
「ikigai」という言葉は、「onsen」や「omotenashi」と同じように、海外でもよく知られています。世界の長寿エリアを指す「ブルーゾーン」という概念を提唱したアメリカのダン・ベットナー氏が沖縄の長寿の理由として紹介したことから、長生きのための精神の持ち方として欧米で広く知られるようになりました。趣味や生活習慣に対しても使われる日本とは少しニュアンスが違っていて、「利他的であることの幸福感」という意味が含まれているようです。
日本人にとっての「生きがい」は「生きる甲斐」、つまり生きる喜びや張り合いを意味しています。家族や友人との何気ない楽しい時間、打ち込める仕事や没頭できる趣味など、些細な物事や習慣の継続の中に生きがいを見出してきました。日本人にとっては、暗黙知の概念です。内閣府の調査※ などによると、友人・仲間がいて、外出頻度が高く、社会活動に参加する方々に、生きがいを感じている人の割合が高いそうです。人や社会とのつながりを持ち、アクティブであることが重要なのです。
最近、「well-being」や「幸福」関連の本が人気なのは、人生100年という時間を前に、私たちが戸惑っているからかもしれません。もう一度足もとを見つめ直し、日々の小さな出来事や私たちの中にある小さな感情に目を向けて、幸福感に気づくことが大切です。
※ 「令和3年度 高齢者の日常生活・地域社会への参加に関する調査」
一般社団法人 Jウエルネス振興会 代表理事江渕敦
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