- 日替わりコラム
Mon
5/8
2023
働き方改革は2019年4月に施行され、その後、同年12月に発生した新型コロナウイルスの蔓延によって、好むと好まざるとにかかわらず推進されることになりました。
一方で、これらの働き方改革をワーカーが自主的に行って展開してきたのかというと必ずしもそうではなく、むしろ「働かせ方改革」だった側面も否めないと思います。つまり、推進した主体は経営者側とワーカー側のどちらなのかといえばそれは経営者側であり、ワーカーからするとオフィス環境や働き方は経営者側から与えられるモノやコトであった、ということです。
現在話題となっているABW(アクティビティに従って場所を選択する働き方)も、経営者側が計画的に事前に働き方を想定した場所を用意してワーカーが選択している場合、それは”与えられた場所“であり、ワーカーの自由度は制限されます。ワーカー目線で考えれば、そのときどきの働き方にベストな場所であれば、公園でも近くの(遠くの)カフェでもよく、自身にとって居心地の良いベストな場所を自由に選択できるべきですが、実際には難しい状況です。
経営者目線とワーカー目線、双方のバランスデザインが、これからの真の”働き方改革“をつくるヒントになりそうです。
東京造形大学 造形学部デザイン学科 教授地主廣明
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