イカリホールディングス株式会社 よりそい、つよく、ささえる。/環文研(Kanbunken)

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2023

衛生視点で感染症・災害時のBCPを考える(3)感染症予防と空気環境

 病院や高齢者施設、高齢者が在室する空間などでは、今後もしばらく新型コロナウイルス感染症への対応を考慮する必要があるでしょう。同様に、災害時の避難生活に高齢者の方がいる場合、感染症予防のための空気環境を考えていくことが重要です。
 電気が使用可能な状況では、換気装置を使った空気の入れ換えが有効です。最近では、部屋ごとの個別空調のために、各部屋に全熱交換器が設けられることが多くあります。夏季であれば、室内の冷房の排気と、屋外の熱気の給気とを薄い膜越しに触れ合わせて、外気を冷やしながら取り入れる装置です。
 感染防止には、補助的な空気清浄機の使用も有効です。使用フィルターに静電の捕集作用のあるHEPAフィルター相当の除去効率があれば、ウイルス除去にも効果があるとされています。ただし、大型でないかぎり、空気を強く吸い込む範囲は半径2mくらいではないかと思いますので、高齢者が他者と接近する場合などでは風量を一時的に「中」~「強」にするとよいでしょう。空気環境で注意しなければならないのは、風の流れです。過去のクラスター事例では、ウイルスを含んだ飛沫やエアロゾルが風上から風下へ広がったケースがあります。サーキュレーターは、人に風を直接当てない向きで使用するのがよいでしょう。

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オフィス環監未来塾 代表中臣昌広

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