- 日替わりコラム
Mon
5/29
2023
認知症専門医院ひろかわクリニックの広川慶裕院長は、「認知症の原因物質は40代から脳に溜まり始める」と言います。その理由はふたつあります。ひとつは、「認知症が生活習慣病の延長線上にある病気」だからです。生活習慣病である糖尿病や高血圧、メタボリックシンドロームなどは、いずれも血管の機能を下げる病気であり、その結果として脳にも影響を及ぼします。40代はまさに生活習慣病が急激に増える年代であり、健康診断などで指摘される人も多く見られます。
ふたつ目の理由として、アルツハイマー型の認知症を引き起こす「アミロイドβ」という物質が蓄積を始めるのが40歳頃からで、その後20年ほどかけてピークに達すると、広川院長は指摘します。
最新の脳科学によると、脳は睡眠中に少し収縮し、それによって生じたわずかなすき間を使ってアミロイドβをはじめとする余計な物質を脳脊髄液が洗い流しているとのこと。つまり、十分な睡眠をとらないと、老廃物は排出されません。最低でも毎日5時間以上の睡眠は必須で、それ以下だとアミロイドβを排出し切るのは難しいとされています。
また、睡眠時間には、体を修復する成長ホルモンが最も分泌されやすい23時~3時を含めるのが理想とされます。生活リズムを一定に保ち、さまざまな生活習慣を見直す年代こそが40代だといえます。
参考文献:『THE21』2023 年1 月号特集「40 代・50 代から衰える脳 伸びる脳」
介護福祉士中村和彦
全部または一部を無断で複写複製することは、著作権法上での例外を除き、禁じられています
- アクセス