- 日替わりコラム
Thu
7/27
2023
戦後の日本は物資が不足し、あらゆる商品が作れば作っただけ売れる時代でした。いわゆる高度経済成長期です。市場にある商品を選択の余地なく、誰もがほかの人と同じものを買うのが当たり前でした。そのため、販売に対しての努力をほとんど必要としませんでした。マーケティングという言葉も、あまり知られていない時代です。
それに比べて現代は、どれを買ったらよいのか選択に困るほど、商品が溢れかえっています。自社の商品を購入してもらうために、相当な努力を必要とする時代となりました。すなわち、マーケティングが重要な時代になったのです。
競合する企業同士、技術も情報も拮抗する中で、「ここがほかとは違う」、「ここがほかより良い」と明確に謳うのが難しい時代です。そのような中では、開発者は技術的なわずかな優劣を競いたくなるものです。しかし、商品が売れるかどうかは、その差が消費者にはっきりと伝わるかどうかなのです。
商品開発における永続的な技術向上努力とは別に、発想や視点を変えて、「消費者がはっきりとわかる違い」、「商品の売り」を生み出すための根本的な設計変更が重要な時代だといえるでしょう。広告業界でいうところのUSP※ を持つ商品設計を目指して欲しいと思います。
※ Unique Selling Proposition の略称。自社だからこそ提供できる商品やサービスにおける価値・強み
商品開発アドバイザーH・B 山越
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