- 日替わりコラム
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9/4
2023
京都には、明治から昭和初期に建てられたレトロ・モダン建築が数多く現存しています。京都府庁旧本館、京都府立図書館、京都国立博物館といった公共施設をはじめ、小学校や大学などの教育施設、老舗企業の本社、教会、店舗併用住宅とバラエティに富んでいます。
京都御所の北側にある同志社大学今出川校地には、クラーク記念館や同志社礼拝堂など5棟の重要文化財を含むレンガ造建築物群があり、ヨーロッパの大学構内を歩いているような気分になります。学生ガイドによるキャンパスツアーも開催されていますし、自由に見学するなら、門衛所にキャンパスのマップも用意されています。
鴨川に架かる四条大橋近くの北京料理店「東華菜館本店」は約100年経過するスパニッシュ・バロック様式の建築物で、設計はウィリアム・ヴォーリズ※ です。東華菜館には、日本に現存する最古のエレベーターがあります。運転手付きの手動式で現在も利用されています。
11月上旬には、「京都モダン建築祭」が開催されます。昨年から始まったこのイベントでは、普段見学できないモダン建築が約50か所公開される予定です。このような機会を利用して、モダン建築物に関する歴史や建物の維持管理の苦労などに触れることで、京都のレトロ・モダン建築を守っていきたいですね。
※ 米国出身の建築家・実業家。代表作は山の上ホテル(東京都)、大丸心斎橋店旧本館(大阪府)など。
株式会社近江兄弟社の創立者でもある
鈴木達夫
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