- 日替わりコラム
Wed
10/11
2023
猫は散歩を必要としません。また、猫は縦の動き(上下運動)を好むため飼育面積も小さくて済みます。犬のように群れで暮らす動物とは異なり、猫は単独で暮らしていた動物ですから、孤独に強く独りで黙って留守番をしてくれます。飼い主の帰宅が少々遅くなっても文句を言いません。「猫ちぐら」のような囲まれた狭くて安全な場所と、清潔な排泄場所が用意されていれば問題ないので、住居が狭く時間のない現代人が犬より猫を選ぶのは、不思議なことではありません。また、日本人の多くは犬を訓練するノウハウも持たないため、何も教える必要のない猫を飼うほうが、飼育についての悩みは少なくなります。
それでも猫の飼育に悩む人はいます。多くはトイレの問題です。トイレの中に排泄せずに、そばですることがあります。多くはトイレに排泄物が残っていることやトイレの砂が気に入らないことが原因です。猫に用意するトイレの数は猫の頭数プラス1以上が原則です。複数の猫が使えるような大きなトイレを用意するのは好ましくありません。猫は共同トイレが嫌いです。また足腰に痛みがあり、トイレの枠を跨げない猫(特に老猫)もいます。
猫は強く要求はしませんが、爪とぎなどを含む基本的な行動を快適に行える環境は用意しなければなりません。
井本動物病院 院長井本史夫
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