- 日替わりコラム
Wed
11/15
2023
年間を通して流通しているほうれん草ですが、旬は11月~1月です。「寒さに当たると甘みが増す」といわれ、寒さから自分の身を守るために水分を減らして糖分を増やすので、寒くなるほど甘みがのってきます。この性質を活かしたほうれん草が「寒じめ」です。一般的なほうれん草の糖度は5度前後ですが、寒じめになると糖度が10度を超えることもあり、果物と同等の甘みを有します。ほうれん草特有のえぐみも少なくなるため、寒じめや寒い時期のほうれん草は、えぐみが苦手な方でも、美味しく食べることができます。
旬のほうれん草は美味しいだけでなく、栄養価にも優れています。旬でないときと比べると、ビタミンCは3倍の含有量になります。粘膜を健康に保つ効果のあるビタミンA(カロテン)も豊富に含まれ、ビタミンCとの相乗効果で免疫力を高める効果が期待できます。さらに鉄や葉酸が豊富で、貧血を予防し、血行を促す働きがあることから、体を冷えから守る効果も期待できます。
鉄の吸収を阻害したり、体内でカルシウムと結合すると結石の原因となるシュウ酸は、茹でたり水にさらすことで除去することができます。水溶性のビタミンCをしっかり残すためにも、たっぷりのお湯でサッと短時間で茹でることがポイントです。
管理栄養士・野菜ソムリエプロ篠原絵里佳
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