イカリホールディングス株式会社 よりそい、つよく、ささえる。/環文研(Kanbunken)

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2023

やる気がなく礼儀・マナーの欠如も表れる前頭側頭型認知症

 誰しも高齢になると脳が縮んでいきます。認知症の方や物忘れが多い方の脳は、記憶を司る海馬が萎縮すると考えられますが、これには個人差があります。そして、より早くから縮む部位が、脳の前方に位置する前頭葉です。前頭葉は、老化や脳梗塞、事故などで損傷すると、意欲が失われたり感情や思考の切り替えが難しくなります。また、物事の段取りがつけられなくなったり、創造性の欠如なども見られます。
 前頭葉と側頭葉の萎縮が原因と考えられる前頭側頭型認知症は、アルツハイマー型認知症などに比べて割合は少ないものの、他の認知症では見られにくい人格変化や行動障害、運動障害などの症状が表れ、「暴力的になる」、「失礼な発言をする」、「遠慮をしなくなる」のが特徴です。また、毎日同じところへ出かける、同じ料理を食べるというように「行動を繰り返す」こともあります。社会的に不適切な行動、礼儀・マナーの欠如、衝動的な行動がないか、無関心・無気力になっていないかなど、日頃からよく観察しておきましょう。もし、このような症状がみられた場合は、まずは精神科や神経内科の受診をお勧めします。
 脳トレで有名な東北大学加齢医学研究所の川島隆太教授は、前頭葉の血流を増やすために単純な計算や読み・書きを毎日反復練習する「学習療法」を提唱していますので、調べてみてはいかがでしょうか。

介護福祉士中村和彦

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