イカリホールディングス株式会社 よりそい、つよく、ささえる。/環文研(Kanbunken)

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2024

ストレス社会を心穏やかに生きる(112)「鬼」とは何か(1)

 寒さまだまだ厳しき今日この頃ですが、暦の上では春を迎えました。冬から春へと暦を分ける節分には、「豆」をまいて鬼を祓い、福を招くという立春前日に行われる「節分会(せつぶんえ)」特有の習慣が残されています。
 古来、「鬼(おに)」とは、「隠形(おんぎょう)」(目に見えない形なきもの)の「隠(おん)」が変化したものとされ、あらゆる「邪気(じゃき)」の象徴といわれています。
 特に、暦を分けるこの時節には、昔から邪気が入りやすいといわれ、天災や疫病など、目に見えない悪しきもの(「鬼」)が暴れだすことから豆をまいて「無病息災」・「無魔吉祥」の祈りを捧げて参りました。「豆」を用いるのは、「豆(まめ)」は「魔滅(まめ)」に通ずといわれ、あわせて、「鬼」は、臭いのきついものや、目を刺される恐れのある尖ったものを嫌うため、焼くと臭いのきつい「鰯(いわし)」や、葉に棘(とげ)をもつ(古来、邪気を祓うとされる)「柊(ひいらぎ)」を魔除けのために玄関先などに飾って、「鬼」が家中に入りこまないようにいたします。
 本来、「鬼」は形なきものの象徴ですが、私たちがよくイメージする「鬼」の姿は、(牛の)角や、鋭い(虎の)牙や爪をもち、柄のパンツをはいております。これは、鬼門である「丑寅(うしとら)(艮(うしとら))」の方角に由来し、「鬼」がもっとも活動する時間は、真夜中の丑寅の時刻(深夜2時から4時頃)といわれています。

合掌

下野薬師寺別院 舎那殿壇 龍興寺 副住職阿波建多

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