- 日替わりコラム
Tue
2/6
2024
「消齢化(しょうれいか)」とは、生活者の意識や好み、価値観などについて、年代/年齢による違いが小さくなる現象のことで、博報堂生活総合研究所(生活総研)が発表した造語です。生活総研は「生活定点」という意識調査を1992年から30年にわたり実施しており、生活者の意識や欲求の変化をデータ分析した結果、この現象を発見しました。
たとえば、「夫婦はどんなことがあっても離婚しないほうがよいと思う」、「携帯電話やスマホは私の生活になくてはならないものだ」、「将来に備えるより現在をエンジョイするタイプだ」など、かつては年代により回答に大きな差があったものが、30年の間に多くの質問でその差が縮小し、年代ごとの意識や価値観が近づいてきているのです。消齢化の背景には、結婚観や仕事観の変化で生き方の選択肢が広がったこと、インターネットの普及や元気な高齢者が増えたこと、年齢に縛られず誰もが自分の望む生き方を追求するようになったことなどがあると考えられています。
日々の生活の中で、消齢化を実感している方は多いのではないでしょうか。そしてこの潮流は今後も続くと予測されています。少子高齢化が進む現代社会を「消齢化社会」と捉えることで、これからの時代をより良く生きるヒントが見つかるかもしれません。
ライター東納英輔
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