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2/7

2024

ウェルビーイングと食品衛生(2)食品衛生におけるウェルビーイング実現の鍵

 大阪大学大学院教授の岡本玲子氏は、世界保健機関(WHO)の健康の定義において、「単に病気や病弱な状態ではなく」という負の状態から脱するための軸だけでなく、「身体的にも精神的にも社会的にも良好で満たされた状態」という、より正の方向へ向かう軸がすでに示されており、公衆のポジティヴヘルス※ を推進する役割は重要であることを述べています。
 食品衛生では、負の状態から脱するための軸において、「食中毒の原因となってしまったり、食品が傷んでいる状態になってしまったりすることが決してあってはならない」という食の安全をひたむきに守る必要性には疑いがありません。そしてもし同時に、正の方向へ向かう軸も発見できたならば、食品衛生におけるウェルビーイング実現の鍵となるでしょう。
 岡本氏は、京都大学防災研究所教授矢守克也氏の「正解はなくとも成解を導く」という概念を引用し、「いつの時点でも普遍的に妥当な真理・法則性はなくとも、特定の現場やローカリティにおいて当面成立可能で需要可能な解を導くアプローチの重要性」を説き、その実行のためのワザを解説しています。食品衛生の実践においても必ず役立つものと思われますので、次回はそれらについて紹介していきます。

※  健康とは「社会的、身体的、感情的な問題に直面したときに適応し、本人主導で管理する能力」であるというオランダの医師マフトルド・ヒューバー氏が2011年に提唱した健康の新しい概念。病気や障害がない状態が健康なのではなく、病気になっても落ち込むことなく乗り越えていける力が健康という捉え方

リテールHACCP研究所山森純子

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