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Thu

2/22

2024

人と犬と猫がともに暮らすこと(10)猫の飼い方の基本

 猫は肉食動物です。野生だった頃はネズミほどの大きさの動物を食べて生きていました。獲物を捕るために、尖った爪や鋭い牙を持っています。その頃に比べればおとなしくなったとはいえ、爪や牙など身体の基本的な構造は変化していません。現代では猫が攻撃性を見せた場合、肉体的な被害を受けるのは人です。
 猫は静寂を好む動物です。攻撃行動を誘発しないためには、「大声を出さない」、「バタバタと騒がしく動かない」といった暮らしをすれば良いのです。また猫は嗅覚が鋭い動物ですから、環境や人のにおいを強くし過ぎないことも大切です。
 猫の基本的な性格が作られる期間は、生まれてから3か月齢くらいまでです。一般的にいえば「落ち着いた環境の下で、兄弟猫と一緒に母猫に育てられる」必要があります。また一生、人と一緒に暮らすわけですから、遅くとも14週齢までに人の手で扱われることを経験すべきです。そういう経験のない猫には、社会化不足による人への攻撃性がみられたり、限られた人にしかなつかなかったりすることもあります。しかし、現代の多くの猫について、「幼猫期の育ち方」を知ることは不可能に近いことです。そのために飼い始めから落ち着いた環境を用意し、やさしく接することが大切です。

井本動物病院 院長井本史夫

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